「働く人のためになるDX」を目指して大切にしていることは「思いやり」文化の構築と、それにあわせたDXツールにしていくこと。
DXチームにてiTantoのサービス企画から営業、お客様対応をさせて頂いている前田です。
1年3か月の産休・育休を経て2023年5月復帰、あっという間に3か月が経とうとしています。
復帰して感じるのは、”働く環境”について。私たちロケットスタートホールディングスは、現在は約半数のメンバーがリモート環境で繋がっている組織です。
私は2017年に入社し、そのときからそれが可能な環境でした。かつ、それぞれ(働き方)働く時間も多様で1日8時間勤務のメンバーもいれば6時間のメンバーもいます。
そして茨城、栃木、東京、沖縄と、物理的には離れているところから一つのグループとしてお客様に寄り添った伴走ができるのも、この環境があるからこそ。
働く内容の多様性はもちろんのこと、働く量の多様性と働く場所の多様性。つまり働き方の多様性。
「いまは制約がある。でも自分のキャリアも大事にしていきたい。」
「家がロケスタの拠点の近くじゃない。それでもパーパスに共感するからどうしてもロケスタで働きたい。」
ロケスタはこうした気持ちに応えてくれる会社です。同時に、それぞれがお互いに思いやりを持ちつつ、自分たちの役割を柔軟に対応させていくこと。これを本当に大切することでロケスタでは働き方の多様性を生み出せているのだと思います。
それぞれの働き方の多様性に加えて、VUCA時代(※)と言われる時代の変化の動きの速さ、曖昧さ、あるいは不確実さ。そうしたものをプラスのものとして吸収していくために、DX環境をロケスタにとっての「当たり前」として整備する必要があり、早い段階からそうした環境を整えてきました。
逆にいうと「そういった環境構築への取り組みがあったからこそ、こういう頼もしいメンバーたちが集まってきてくれた(必然とメンバーがそうならざるを得なかった)」ということなのかもしれません。
前置きが長くなってしまいましたが、会社の働く環境は、いま働いてくださっている人、そしてこれから働いてもらいたい人を見据えて整備・構築されていきます。
事業としての目標達成利益を生み出すこと、そして成長や拡大は会社にとっての必須事項ですが、それはその会社や組織に属する「働く人の手」によって成し遂げられていきます。つまり、働く人それぞれが最大パフォーマンスを発揮できるような仕組みを作ることも1つの大事な要素になると考えています。
働く人と言っても、人により働くこと・仕事への価値観や目的が異なります。それはライフスタイルにより変化し続けるものでもあります。それをきちんと把握し、受け入れた上で、事業を揺らぎなく回していき、さらに新しいものを生み出していける仕組みというのはこれからさらに求められるのではないでしょうか。
「DX」という言葉は使い尽くされてしまったのではないかと思えるほど一般的に認知されるようになりました。私たちも「DX伴走支援」という言葉をキーワードにしてお客様のサポートをさせて頂いているくらいです。
でも「DX」という言葉だけが一人歩きして働く人を置き去りにしてしまうようなことにはしたくない。だから、私たちが支援させて頂くなかで何より大切にしているのは「働く人の気持ち」なんです。
「働く人の気持ちを考えることなくしてはDX化はありえない」と言ってしまってもいいと、私は思っているんです。
だから、私たちがDX伴走支援を通してお手伝いさせていただいているのは「働く人のためになるDX」。つまりその会社や組織で働く人にとって必要な環境を一緒にデザインしていくこと。そして、最少人数で最大パフォーマンスを生み出すことができ、その事業やサービスの先にあるお客様にも良い影響をもたらすことができれば本望だと思っています。
それは「働く人」にフォーカスして「働く環境」をデザインするということです。「働く人のためになるDXであって、その逆ではない」ということをいつも意識してサポートさせていただいています。
DX化することだけが先走りして、DX後の環境に働く人がついていけないようにしたくはないと考えているんです。
私たちの目標は「働く人のためになるDX」、つまりその会社や組織で働く人にとって必要な環境を一緒にデザインしていくこと。そして、最少人数で最大パフォーマンスを生み出すことができ、その事業やサービスの先にあるお客様にも良い影響をもたらすこと。
でも、働く皆さんの事情によって、ある会社には最適解だったものが別の会社では逆に足枷になるということがあります。ですから、お客様ごとに最適解を一緒に見つけることを目標にしています。
例えば極端な話、全ての業務をデジタル化することが最適解ではない場合もあります。そうした場合には、例えば一部の業務では「手書き」「FAX」などを残すということが現場のニーズにピッタリである、ということもあるんです。そうしたリアルな現場感は大切にしていきたい、と強く感じています。
つまり、ひとことでいうと「思いやり」を大切にしていくこと。
そして「働く人にフォーカスして働く人の環境をデザインする」ために一番大切なのは「思いやり」ではないか、と思うのです。
その会社、働いている人にフィットした環境デザイン。推進する側は、まずはみんなが無理なく使えることだったり、ちょっとずつ使えるようになって成長していくことだったり。
あるいは「DX化します!」と抽象的に感じられたりする言葉を使って環境をいきなり変えていくことではなく「こんなところが便利になりますよ」という具体的な便利さをスタート地点として始めていくことの大切さ。そしてそれを最初は臨機応変に自分達の運用に合わせて変えていけること。
こんなふうに気負いなく自分達らしく進めていけることが、その会社にとって、働く人にとっての一番の幸せなんではないでしょうか。そして少しずつ変化していこう、より良くしていこう、という声を上げやすい状態にする風土作りもとても大きなミッションなのではないでしょうか。
こうしたことが私たちの大切にしたい「思いやり」です。
「必要なのはDX+人情だよね」ということを社内ではよく話合うのですが、iTantoのサービスのなかで、お客様の話を聞いたり、ご提案を設計したりしていると、そういう「思いやり」がDXには必須なんだと実感します。
お客様をとりまく背景、環境、想い、働く人たち、関連するパートナーさん。私たちは「どんな些細な事柄にも目を向けて運用を考え、設計していくこと」を使命として、変化を意識しながらサービス提供をしていきたいと考えています。
このようにして自分たちの提供したいサービスについて改めて考えながら自分たちの役割にしっくりくる言葉は何だろう、と考えてみるとやっぱりデザイナーでありたいし、ときにはトレーナーとして伴走していくことが私たちの仕事なんだな、と感じます。
スポーツ選手のコーチやトレーナーは、決まったトレーニングメニューを選手に何も考えずに与えることもできれば、選手の能力や目標、コンディションをよく汲み取りながら、それに応じてメニューを柔軟に変えていってトレーニング全体を目標に向けてデザインすることもできます。
そして選手の成功を願っているトレーナーは、まずトレーニングメニューをデザインする前に、選手のこれまでの実績、どういう思いでこれまで取り組んできたのか。あるいは、今後何を目標にしているのか。そうしたことは勿論のこと、選手の身長、体重。種目によっては手足の長さや筋肉の性質、あるいはスタミナ。そうした選手特有の性質を細かく見極めようとするはず。
自分たちは後者でありたいな、と。つまり、働いている方のニーズ、今後の目標、現状を丁寧に汲み取りながらそれに最適なトレーニングメニューを柔軟にデザインしていくことだったり、あるいは適切なペースを設定して隣で伴走していく。そういったイメージなのです。
人情というと少し抽象的になってしまうかもしれませんね。
でも「理解したい」と心がけることは、使う方の背景や、どうなりたい、どうなったら良いのかを知る、ということ。あるいは一緒に考えていくこと。
つまり使う方のお気持ちだったり、あるいはこれまでどのようにその業務の変革があったのか。その業務に関わる過去・現在・未来のメンバーが誰なのか。どういったタスクがなされているのか。どういった状況でそのタスクが発生し、またその周辺や前後関係にあるタスクは何なのか。
DXを推進する設計するにあたって、こうした事柄を丁寧に汲み取りながら、どのように設計したらお客様の想いをかたちにできるのかを考えていきたい、と思っています。
なぜなら、会社や組織の根源は人材(人財)にあるからです。そのお客様となる会社や組織がこれまでどのように成り立ってきたのか。人の入れ替わりや成長はどうなのか・現状はどうなのか。将来的にどう拡大や成長したいのか。そうした背景をきちんと理解すること。
その時点で答えが分からない、と感じる場合もあるかと思います。そのような時には一緒に問答を繰り返しながら、お客様に答えを出して頂くお手伝いもさせて頂いています。
働く人を軸にして、これまでの背景とこれからどう変化していきたいのか、ということを見据えること。
こうしたことを何より大切にしていきたい。
DXツールと「思いやり」を組み合わせてお客様に合わせたオンリーワンのDX提案をしていくこと。
これが何より私たちの使命です。