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kintoneは使えない?向き不向きを見極めつつ最大限活用しよう

公開日: 2024年10月18日 / 更新日: 2024年10月18日


コラムkintone

kintoneは使えない?向き不向きを見極めつつ最大限活用しよう

「専門的な知識がなくても低コストでシステムが作れてしまう」と大きな期待をもってkintoneを導入してみたもの「なんか使えないな・・・」と感じておられますか?

確かにkintoneは基本ノーコードでシステムが作れてしまう優れものですが、うまく活用するためにはコツを押さえておく必要があります。どんなツールやサービスにもいえることですが、kintoneにはkintone特有の癖があります。

そのkintoneの癖にあわせて業務フローを組んでいくことがとても大切。場合によってはkintoneが自分たちの実現したいことにピッタリなサービスなのかを正直に検討する必要もあります。

例えば「これまではシステム屋さんにかなりの金額を払って作ってもらってたけど、kintoneに置き換えることで同じ機能をずっと安く実現できる」と考える方は少なくないです。ではそれは可能なのでしょうか?答えは「YESでありNOです」。つまりkintoneが向いている場合と向いていない場合があります。

kintoneを活かすコツはひとことでいうなら適材適所で使うということ。

今回の記事では向き不向きを見極めつつ、kintoneの癖や特徴を最大限に活かしてkintoneをとことんご活用いただくためのヒントをいくつかご紹介できればと思っています。

kintoneは使えない・使いにくいと感じる理由

「kintoneは使えない」「kintoneは使いにくい」と感じる理由はあると思いますが、使う側がkintoneをよりよく知ることで克服できる場合もあれば、業務フローをkintoneの特徴にあわせて柔軟に調整する必要がある場合もあります。

kintoneが使いにくいと感じてしまう理由をいくつか具体的に見ていくことにしましょう。

ユーザー側:現場がkintoneをうまく使いこなせていない

これまでエクセルで回していた業務をkintoneに置き換えるケースというのは多いと思います。そこで起きるのが、なかなかkintoneを使いこなせないという悩みです。kintoneには独特の癖がありますが、それになかなか慣れないというケースもあります。

また設定画面でドラッグ&ドロップで簡単に項目を設置できる設計になっているため直感的な操作でアプリを作ることができますが、一方でユーザーインターフェースはあまりいじることができません。

中身を柔軟に扱えるようになっている分、見かけの部分の自由度はそこまで高くないです。

またkintoneはWebアプリです。最新のデータを表示するために毎回画面を更新しないといけない、といったWebアプリ特有の癖のせいで「使いにくい」と感じられる場合もあるでしょう。

kintone特有の癖になれないと使いにくいと感じる

相性:業務フローや実現したい機能とkintoneの相性が悪い

kintoneをうまく使いこなせない、というのはどちらかというと使う側の問題でもあるわけですが、kintoneのシステム側の特徴が原因になるケースもあります。

例えば、オーダーメイドの基幹システムから移行したものの、比較して使いにくいと感じるというのはありがちなケースかもしれません。

あるいは、そうした基幹システムからkintoneへの移行をしようとしたにも関わらず、思うようにすべての機能をkintoneに移行することができず歯痒く感じられた方もいらっしゃるかもしれません。

このようにkintoneが使えない・使いにくいと感じる背景には大抵、業務フローや使い方との相性の問題があることが多いです。

またkintoneに対して「なんでも作れる便利なツール」という漠然としてイメージを描いてかなり高い期待値で導入してみたものの、実際に使ってみて「なんでも作れるわけではない」「制限が思ったより多い」などの感想を持たれるケースも多いようです。

それで導入にあたってkintoneが得意な分野と苦手な分野をきちんと見極めて、自分たちの運用フローや想定する使い方とkintoneの相性がどれほどよいかをじっくり考えるようにしましょう。

逆にkintoneが何を得意としているのかを正確に把握することで、kintoneを最大限に活用することができます。

導入後の柔軟性やコスト面などでのメリットも多いので、もしかしたら業務フローをkintoneの長所にあわせて柔軟に調整することで、しっくりとした運用につながるかもしれません。

では早速kintoneが苦手とすること・得意とすることを見て参りましょう。

業務フローとkintoneの相性の見極めは重要

kintoneの弱点と苦手分野と対処法

まずkintoneの弱点を理解することはとても大切です。

特にエクセルからkintoneへの移行を検討されている場合や、すでに基幹システムをお持ちで、なんらかの事情でkintoneへの載せ替えをご検討中の方はこの部分をじっくり検討することをお勧めします。

複雑な計算処理や集計処理が苦手

まず複雑な計算処理や集計処理を必要とする業務がkintoneはあまり得意ではないという点を押さえておく必要があります。

弊社がiTantoのサービスでお客様をサポートするなかで「これまでExcelで行なっていた業務をそのままkintoneに乗せ替えたい」というご要望をいただくことが度々あります。

これがうまくいくケースもたくさんありますが、残念ながらそれがうまくいかないケースというのも多々あります。それはExcelで複雑な関数やマクロを組んで運用されているような場合です。

もちろん、kintoneには関数機能がついておりIF関数やSUM関数など、簡単な計算式であれば割と柔軟に設定できるようになっています。

またkintoneには集計表機能やグラフ機能があり、一つのアプリ内にあるデータをいろいろな形の集計表やグラフで表現することができます。

ところが、kintoneが特に苦手とするのはアプリをまたいでの計算や集計です。

例えばExcelで複数のシートを参照した関数を組んでいるような場合、それをシンプルにkintoneに移植するのは難しいことが多いです。Kintoneアプリ側でワンクッション挟んで、間接的に計算式を書くなどでしのげるケースもありますが、標準機能ではどうしても難しいというケースもあります。

さらにはアプリをまたがっての集計表も同様です。

例えば、目標アプリと実績アプリをもとに貸借表を作成したい、というケースは多いかと思いますし、エクセルやデータベースシステムではいとも簡単に実現できてしまうことです。ところが、これがkintoneは大の苦手。

標準機能では難しいので、こうした処理がどうしても必要な場合はkrewDataなど、複数のアプリのデータを結合した上で集計処理を行えるようなプラグインや拡張サービスをご案内することが多いです。

ただし、krewDataの場合もいくつか特有の制限があるので、普通のデータベースシステムのようにはいかないケースもあります。

複雑すぎる処理や多すぎる処理はkintoneの苦手分野

大量のデータを扱う基幹システムとしての利用には向いていない

エクセルからkintoneに業務を移植したいというご要望についで多いのがすでに基幹システムがあって何年もその基幹システムを中心に業務を回してこられた、というケースです。

規模や複雑さによっていちがいに言えないところはありますが、基幹システムをそのままkintoneに移植することはエクセルでまわしていた業務をkintoneに乗せ替えるよりも、さらにkintoneとの相性が悪い場合が多いです。

というのは基幹システムはリレーショナル・データベースで構築されていることがほとんで、複数のデータセット間の複雑な連携が前提になっているからです。
Kintoneはルックアップという機能でアプリ間の連携をすることはできます。ただしこれはデータベースシステムにおけるテーブル連携とは似ているようで、実は性質がかなり異なるものです。

そのため、リレーショナルデータベース上での複雑なデータ連携を再現できないことが多いです。

詳細は本ブログのデータベースの記事ルックアップの記事で詳細に書いているのでご参照いただきたいです。

また基幹システムはシステム会社による受託開発で要件一つ一つをプログラミングによって実装していることが多いです。そのためデータを取得するときのUIやデータの表現方法も多様であることが多いです。

kintoneでもJavaScriptでカスタマイズすることで基幹システム的な処理を実装することは不可能ではありません。

ただし、kintoneをデータベースとして使う場合に普通のリレーショナルデータベースにはない制限もありますし、そもそも開発工数が膨らんでしまうということにもなりかねません。またヘビーにプログラミングによるカスタマイズをしてしまうと、ちょっとした修正もすべて開発元に依頼する必要がでてきます。

弊社のkintone伴走サービスiTantoでは基本的に大掛かりなプログラミングによるkintoneカスタマイズはご提案しない方向にしているのは、そうすることでkintoneの良いところがうまくいかせない結果になることが多いからなんです。

基幹システムでは、いろいろな業務を一つのシステムに一元化されていることも多いものです。

kintoneを使う際にタスクの一元化にあまりにこだわってしまうこともうまく活用できない原因の一つです。

それよりは、タスクに応じて、そのタスクに一番適したSaasサービスを選んで、ある程度業務を分散させることも時には大切です。

基幹システムからkintoneへの乗り換えは特に慎重に検討しよう

本格的なデータベースとしての利用には向いていない

前項と似た点になりますが例えばデータ分析のために大量にデータを溜め込んで、データベースとしてkintoneを利用したい、というケースもありますが、これもkintoneの苦手分野です。

kintoneはドラッグ&ドロップで簡単にフィールドを追加できて、特に知識がなくても簡単にアプリを実装できてしまいます。その手軽さを実現するために裏側ではさまざまな処理が走っています。

一見するとひとつのアプリがリレーショナルデータベースの一つのテーブルのように見えますが、裏側では結構複雑な構造になっているようなんです。

そのため、データ処理のスピードは決して速くありません。

項目数が多いアプリでレコードの数が数万件という状態になってしまうと、一覧表を表示するにも数秒かかってしまう、ということもあるほどです。

iTantoでは「ご要望がkintone向きかどうか判断する」ところからお手伝い

このようにkintoneには明確な苦手分野があります。まずは弊社のkintone伴走支援サービスのiTantoにご相談頂ければ、ご要望がkintoneでどのくらい実現可能なのか、あるいは現実的に考えてスムーズに運用できそうかどうか、そういった判断の部分からご提案させて頂きます。

結果、もしかしたら「kintoneには向いていない」ということになるかもしれませんが、その時は運用フローや要件をそのまま無理矢理kintoneに乗せるのは結局うまくいかず「やっぱりkintone使えないからやめる」という結果になりがちなのです。

それよりは「kintoneを活かすためにどんなふうに運用を変えられるか?」をじっくり考えた上で運用を再設計してkintoneを活用するほうがよさそうです。
そして、場合によってはkintoneではないソリューションを選ぶ勇気も必要です。

kintoneの長所:kintoneが他のツールより優れているところ

さてこれまでkintoneが苦手なことを詳しくご説明しました。ここからはkintoneの長所や強みを扱っていきたいと思います。
Kintoneの長所と短所を天秤にかけることでkintoneを最大限に活用するためのアイディアが生まれますので、両方を念頭に入れながらじっくりと検討したいところ。

操作が直感的なので誰でも「まずは試しに作ってみる」ができる

kintoneの最大の強みはアプリを試しに作るのにシステムやプログラミングの専門知識はいらないという点。ドラッグ&ドロップで入力フィールドやドロップダウンを配置すればアプリは出来上がりです。

かなり直感的に操作できる設計になっているのがありがたいところ。

そのため誰でも「まずは試しに色々作ってみる」ということが可能なのが何よりも長所。

そして入力したデータをもとに簡単な集計やグラフなども簡単に作れてしまいます。

もちろん、業務フローが複雑だったり、管理したいデータの種類が多くなってくると、それたのデータや業務をどうや整理していったらうまくkintoneのデータとして扱えるのか、悩むこともあるかもしれません。

kintone伴走支援サービスのiTantoはそういった時にお客様のお手伝いをさせて頂いています。

kintoneには癖はあるので「こういうケースではこうやってデータを整理していくとうまくいく」というパターンがいくつかあります。

そうしたノウハウを活かしながら、お客様特有にお悩みに寄り添ったサポートを目指しています。

とはいえ、kintoneを運用していかれるのはユーザーのお一人お一人です。

その時大切なのは「まずは自分で手を動かして何かを作ってみる」という姿勢です。そうすることでkintoneの癖が見えてくるからです。

逆にkintoneの使い方のレクチャーをたくさん受けても、自分で頭を動かして何かを作ってみないことには使えるようになりません。

そのためにはまずいじってみることが何より大事ですが、アプリを作るまでの敷居が何より低いのがkintoneの最大の長所といっても過言ではありません。

「まずは試しに」が簡単にできるのがkintoneの強み

柔軟な運用ができる

柔軟な運用ができるというのもkintoneの利点の一つです。自分たちでアプリを修正するのが簡単なので、アプリが修正できないから運用を変えられないという事態を避けることができます。

もちろん、うまく設計しないとこの良さを活かせないのも事実。

例えば、フィールドを差し替えたい場合、名前だけの変更であればkintoneはデータに影響することなく簡単に済んでしまいます。(一部プラグインではフィールド名を変更する度に再設定が必要なものがあるので、それは注意点です)

ところが、例えば入力フィールドをプルダウンに差し替える場合は少し慎重になる必要があります。この時、シンプルに入力フィールドを削除して新たにドロップダウンメニューを追加してしまうと、過去のデータが飛んでしまいます。

そのため、フィールドをそっくりそのまま差し替えることは諦めて、過去のフィールドはそのまま残しつつ、新しいフィールドを設置する。古いフィールドはグループの中に隠して非表示にするなどして、新しいフィールドに運用を切り替える。といった工夫ができます。

このようにkintoneの柔軟性を最大限に活かすためには、kintoneに合わせて運用を柔軟に調整する姿勢も大切です。つまりkintoneの柔軟性を十分に引き出すためには使う側も柔軟である必要があるということ。

要件を決めて、そこから開発を委託したシステムの場合はこうした柔軟性はなかなか望めません。ちょっとした運用の変更のたびにプログラムを修正実装してもらう必要がでてくるからです。

kintoneの良さを引き出すのは使う側の柔軟さ

そうしたシステムでは運用とシステムがほぼイコールの関係で結びついていることが多く、運用がシステムに縛られて身動きが取れないというケースも存在します。
一方、kintoneではうまく工夫すると、データ管理部分はわりと堅牢に構築しておきながら、業務にかかわるデータ周辺部分は柔軟に作っていくという方向性を目指すことができます。

この場合に特に重要になってくるのがkintone特有の癖を把握しておくことに加えて、やはりデータベース構築の基本を押さえているとよりベターです。

kintoneはリレーショナルデータベースとは似ているようでやはり本質的には違うところもたくさんあります。それでも業務システムを構築していく上で押さえておくべき基本はデータベース構築の時とほとんど変わりません。

例えば、データは可能な限り独立して扱ってあげることがリレーショナルデータベースでは基本ですが、kintoneにおいても別個のアプリに分けられるところは分けてあげることがやはり大切です。

そうすることで、ある種類のデータの扱い方が変わった時の影響範囲を最小限にできるからです。

例えば「案件管理アプリと顧客リストは別アプリに作っておく」などです。

少しだけ例をご説明しましたが、大事な点をもう一度強調するとすると、kintoneを柔軟に活用するためにはデータベースの基本を抑えつつ、使う側も柔軟になる、ということになります。

カスタマイズ性が高い

kintoneのもう一つのセールスポイントはカスタマイズ性が高い、ということ。数あるプラグインや拡張機能サービスを使って、kintoneの標準機能では実装できなかった機能を実装できたり、アプリ間の高度な連携を実現したりできます。

さらには外部のSaasサービスなどとの連携も充実しています。

それに加えてJavaScriptを使えば、プラグインや拡張機能サービスでは実現できなかった仕様を実装することも可能です。

こうしたことが可能なのはkintoneがAPIを公開しているためです。
詳しくはこちらの「kintone(キントーン) API連携とは?APIの基本と外部サービス連携」の記事のなかで詳細にご説明していますので是非参考にしてください。

またいろいろなカスタマイズ方法については「kintone(キントーン)のカスタマイズ方法を考えよう」の記事で詳しく扱いました。

カスタマイズでの注意点はできるだけシンプルにすることです。

プラグインを多用したりJavaScriptによるカスタマイズをヘビーに入れてしまうと、開発に関わった担当者しか仕組みがわからないということがよく起きます。その担当者が退職したり休職したタイミングで、kintoneの管理を引き継いだ新しい担当者が全体像を掴めず途方に暮れてしまう、ということになりえます。

また、特にJavaScriptによるカスタマイズをする場合は注意が必要です。

ちょっとした修正のたびにプログラミングをしてくれた開発会社に対応してもらう必要がでてきますので、せっかくのkintoneの良さがなかなか活かせないということになり得るからです。

また、社内で開発できるメンバーがいる場合でも慎重になる必要があります。

例えば、そのメンバーが別に部署に移動したり退職してしまった瞬間にチーム全体が迷子になってしまってはkintoneの気軽さなくなってしまうのです。

こうしたことを考えると、特定の運用方法にこだわるよりはkintoneをシンプルにしたままで、運用自体を柔軟に調整したほうが後々の問題を避けることにつながっていきます。

プラグインの選び方のコツは、まずはkintoneを難なく扱える人なら直感的に設定ができるタイプのものを選んでことです。そうすることでkintoneの管理を可能な限り自分たちのコントロール下に置くことができるからです。

データを社内で共有しやすい

kintoneのもうひとつの利点はクラウドサービスであるという点です。エクセルで業務を管理しているとファイルがあちこちに点在していたり、ファイルのバージョン管理がされていなかったりで管理が煩雑になりがちです。

その点kintoneはクラウドサービスなので、誰もがkintoneにアクセスすればデータにアクセスすることができます。

またkintoneのアプリにはデータの編集履歴機能がついているので、いつ誰がどこを編集したのか、というのが辿れるようになっています。そのため、例えば、間違って編集してしまった場合にでもどのタイミングで間違えてしまったかを突き止めやすくなっています。

またクラウドサービスなので、サーバーのことで気を揉む必要がありません。サーバーを構築する手間も必要ないですし、メンテナンスのためのリソースを割く必要もありません。

kintoneはクラウドサービスなのでサーバーのことは心配しなくていいのも気楽

セキュリティに強い

kintoneは突然の災害や障害に備えて、日本国内の4箇所のデータセンターにデータがコピーされて保管されているためセキュリティにも強いといえます。

東日本に3箇所と西日本に1箇所のデータセンターで管理されているため、例えば東日本、西日本のどちらかで大災害があった場合も想定されています。(もちろんユーザー側のご操作でデータやアプリを消去してしまった場合には、復旧できません)

さらにはオプションとして通常のログインに加えてもうひとつベーシック認証を加えることやIPアドレスによるアクセス制限を追加することも可能。

さらにはセキュアアクセスといってクライアント証明書を発行し、接続端末ごとに認証を行い、接続できる端末を制限する機能もついています。

会社の規模やリスクに応じて、セキュリティレベルをカスタマイズできるのもとても便利なところと言えます。

kintoneを最大限活用するためのコツ

さて、ここまでで、kintoneの得意分野・苦手分野について丁寧に見てきました。kintoneが向いているユースケースと、あまり向いていないユースケースがあるということが何となくみえてきたのではないかと思います。

まずは想定している運用とkintoneの相性がどれくらいなのかを見極めれるようにしましょう。

「kintoneとの相性はいいはずなんだけど、やっぱりイマイチ使えない・使いにくい」と感じられる場合は、kintoneの良さを最大限に活用するためのいくつかのコツがあります。

いくつかご紹介したいと思うので、自分たちの運用に取り入れて参考にできそうなことがあれば是非取り入れてみてください。

担当者を決める

担当者を決めるのは、まずスタート地点としてすごく大切な点です。弊社のkintone伴走支援サービスiTantoでもお客様にはまずシステム担当者を決めていただいています。

もちろん担当者の方はシステムに関する専門知識を持っている必要はありません。

でも、業務フロー全体に通じている方、あるいはアクセスできる方が担当者になるのが望ましいです。

kintoneで業務をうまく回していくことと、業務フローを整理していくことや改善していくことがイコールだからです。

ですので、業務フローに関してある程度権限を持っている方が担当者にできる環境だとうまくいきやすいかもしれません。

kintoneの良さを最大限生かしつつ、うまく活用するためには時には運用を調整することが必要です。

業務フローを詳細に把握できる担当者、業務フローに関して一定の権限を持った担当者の方が全体を総括して運用をリードしていくことが重要になってきます。

まずは担当者を決めよう

業務フローを整理する:「いつ・誰が・何を・どこで」を明確に!

kintoneを使いこなす上で業務フローを整理することは何より大事です。そのためにまず最初に重要なのは現在のkintone導入前の業務フローをきちんと整理すること。

そして、現在の業務フローの問題点や改善点をきちんと整理した上でkintone導入後の業務フローを設計していきます。

どちらの場合も重要なのは「いつ・誰が・何を・どこで(どのように)」を明確にすることです。

•    いつ?:業務フローのどのタイミングで?
•    誰が?:具体的なメンバーの名前だったり組織の名前だったりするかもしれません。
•    何を?:具体的に何をするか?
•    どこで?(どのように?):どのアプリを使ってそのタスクを行うか?

誰もが陥ってしまう罠としてやりがちなのが、「何を・どこで(どのように)」はきちんと見えているんだけども、「いつ・だれが」が意外と曖昧だったというケースです。あるいはその逆で「いつ・だれが」は明確だけれども具体的な部分がきちんと見えていないケース。

特に現在の運用フロー問題点がある程度明確にわかっている場合、わかっている部分に注意が集中してしまい、それ以外のところが見えなくなってしまう、ということがあります。

なので「いつ・誰が・何を・どこで(どのように)」のすべてを明確に書き出してみましょう。

そうすると、盲点だった部分が見えてきます

「いつ・誰が・何を・どこで(どのように)」のすべてを書き出してみよう

業務フローを整理する:他の人に説明できる状態にする

また、頭の中で考えるだけではなくて、きちんと他の人に説明できる状態にしてみることも重要です。例えば業務フローを図に書き出してみたり、ドキュメントに起こしてみたり、といった作業です。

この時「いつ・誰が・何を・どこで(どのように)」のすべてをひとつの図に起こすのは難しいかもしれません。

kintone上の運用を設計する場合はアプリ構成図を作ってまずはアプリ同士の関係性を図に起こすことで「何を・どこで」をある程度表現できますが、「いつ・だれが」といった時系列上の業務フローは同時にはうまく表現できない場合があります。

その場合は「いつ・だれが」が明確になるような別の図を用意すれば整理しやすくなります。

建築でも図面は目的に応じて何種類も用意されます。同じように、切り口ごとに整理していくとわかりやすいです。

これは地味で大変な作業に思えますが、kintoneをうまく活用していく際の土台になる作業です。

面倒だからといってスキップしていきなりkintoneを運用しようとするのではなく、丁寧に整理することを強くお勧めします。

もちろん、その際にドキュメントや図で整理するだけでなく、実際にkintoneでテストアプリを試しに作ってみて想定したとおりにいくかどうかの検証をすることも大切ですし、それが簡単にできるのもkintoneの強みです。

ではあっても運用フローだけは他の人に説明できるレベルで把握しおくようにしましょう。

運用フローを一通り整理したら、今度は試しに社内の他のメンバーに業務フロー全体をプレゼンしてみましょう。うまく説明できないところや、うまく理解してもらえないところはありませんか?

そうしたところは「わかったつもりになってたけど、実は自分もよく理解できていない」ところかもしれません。

業務フローを他の人に説明してみよう

一度に導入しようとせず、確実なところからkintoneを導入する

kintoneは現場にあった使い方を模索しながら導入できるところが何よりの利点です。最初からカチッと運用方針を決めてしまって全体的に導入してしまうと、ちょっとしたところを変更するだけでも全体が影響を受けてしまうということになってしまいがち。

そうなると、ほんのちょっとの修正では済まず、ドミノ式にあちこちを修正しないといけなくなります。

そうした事態を極力避けるために、まずは部分的にkintoneを導入しながら少しずつ運用方針やkintoneアプリを設計していくことです。使ってみて初めて見えてくるものって意外と多いものです。

なので、まずは全体への影響が少ないところを選んでkintoneに載せてみることをお勧めします。

「全体への影響が少ないかどうか」を見分ける方法は、その部分の業務を他の業務と切り分けやすいかどうか。つまり独立性がどれだけ高いタスクかどうか、という点です。

そのタスクをこなすために参照すべき情報が多い場合や、関わるメンバーの数が多い場合は色々な要素がお互いに依存し合っているためそこだけ切り分けるのが難しいです。

そうしたものよりも、単体で成り立つものや、参照する情報が少ないものを切り分けてみましょう。

この導入しやすいところからkintoneを導入していく時に必要なるのは、やはり少し前で取り上げた業務フローをきちんと整理しておくという点です。

このように、まずは部分的に導入してみてうまくいきそうであれば、kintoneでまわす業務の範囲を少し広げてみましょう。

その際に、すでにあるアプリを拡張するのか、新しくアプリを作るのかも慎重に見極めるようにしましょう。

一つのアプリになんでもかんでも詰め込んでしまうよりも、分けることができるなら別のアプリにしたほうが、管理しやすいということがよくあります。

逆にいろんなアプリに分けすぎて、どこに何があるのか分からないという状況も望ましくありません。

現場にあったバランスを見極めるようにしましょう。

業務フロー自体を柔軟に調整していく

柔軟性があるkintoneの良さを最大限に活かして活用するためには使う側の柔軟性が何より鍵になります。

もし、複雑な設計になりそうになったら以下の点を考えてみましょう。

・そもそもその複雑な運用が本当に必要か?
・もっとシンプルな方法で代用したり、なしで済ましたりできないか?

特にこれまで何かしらのシステムを使っていた場合は、そのシステムに運用が縛られてしまっていることが多々あります。他のシステムの機能をそのままkintoneに載せ替えるのは現実的ではない場合が多いので、そうしたケースでは運用フローそのものを見直す必要があるでしょう。

使うシステムが変わるのですから運用フローは変わって当然です。

これまでの運用フローを変えずにそのままkintoneに載せ替える必要があるのであれば、無理にkintoneを使うよりも、従来通り開発会社にシステムを開発してもらったほうがいいケースもあります。そうした場合はkintoneではないソリューションを選ぶ勇気も必要です。

柔軟性やコスト面での利点、拡張性、といったkintoneの長所。そして、運用フローにおいて融通がどれくらい効きそうなのか。その二つをきちんと天秤にかけて判断することが必要です。

また、すべてをkintoneで一元化しようとするとこうした問題が起きやすいですので、ある程度タスクをそれぞれに適したサービスに分担してもらうような運用設計も大切です。

例えば電子契約関連はfreeeサインに任せる。経費精算関連や勤怠管理はMoneyFowardに任せる。など、それぞれの分野に最適化されたツールを併用していくことが大切な場合もあります。

kintoneの柔軟さを引き出すためにはユーザーの柔軟さが必須

まとめ:適材適所でkintoneを使っていこう!

さて、これまで「kintoneが使えない・使いにくい」と感じられるケースにどんなケースがあるのかを考えてきました。現実問題kintoneが向いている場合とそうでない場合があります。

kintoneの良さを活かせる使い方とそうでない使い方があります。

ひとことでまとめると適材適所でkintoneを使っていくことが何よりも大切です。そうするなら「kintoneって本当に便利だな・・・」と感じていただけるはずです。

 kintone(キントーン)の活用方法に困ったら、プロに相談して進めよう  

kintoneをもっと活用して、使いやすくしたいと思ったら、専門知識を持つプロにぜひ相談してみましょう。

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ちなみに、弊社もサイボウズ社kintoneWEBサイトの「パートナー」として掲載されております

サイボウズのパートナーネットワーク  

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基本的な方針としては、まずは標準機能のフル活用。より便利に使いやすいkintoneにするための「プラグイン」を。そして、お客様のご要望に応じた「連携サービス」の選定も一貫してご提案いたします。  

お客様社内のkintone活用を目的に、アプリの作り方のコツや運用方法についての整理や実行なども支援。kintoneに詳しく、他業種の業務理解が深い「アイタント」ならではのサポートを提供することが可能です。  

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