公開日: 2024年02月21日 / 更新日: 2024年07月17日
kintone(キントーン)に何度も同じ内容を入力しているような気がして面倒だな。と思ったことはありますか?
「アプリアクション機能」を使えば、便利になって、負担も軽減できるかもしれません。アクション機能を使ったアプリの作成方法や手順、活用事例などをご紹介します!
kintone(キントーン)の「アプリアクション機能」を使ったことはありますか?
既存のアプリに入力されているフィールドのデータを、違うアプリへ「転記」できる機能です。アプリアクションを使うと、すでに入力されているレコードデータを転記(コピー)した上で、指定したアプリの新規レコードを作成することができます。
コピーしたいフィールドを指定することも可能。必要なフィールドのみを引用することができます。
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例えば、自身が営業担当であるとイメージしてください。
今日の商談内容を、「対応履歴」アプリに入力していくとします。そして、対応履歴に顧客の詳細情報である「顧客名」「住所」「連絡先」などを入力する必要がある。でも毎回、同じ内容を入力していて、「顧客管理」にある基本情報を開き、コピペをして入力している。
…このような場合、「顧客管理」の情報をコピーできればいいのにと思いますよね。
そこで、アプリアクション機能を設定することで、顧客情報から基本情報をワンクリックで転記、つまり「コピー」をすることができます!アクションボタンをクリックすると、指定した情報が転記された「対応履歴」の新しいレコードが立ち上がる仕組み。
とても楽ちんに、そしてミスが少なくなる、とても便利な活用方法です。
機能の具体的な説明をいたしましたが、イメージは湧きましたでしょうか?
ここからは、kintoneアプリでアクション機能を設定する方法を一緒にみていきましょう
1.コピー元のアプリの設定を開く(右上にある歯車マーク)
2.「設定」のタブを選択、「アクション」をクリック
3.「作成する」をクリック
4.「アクション名」を設定し、
5.「コピー先」となるアプリを選択
6.「フィールドの関連付け」でどの情報を、コピー先のどのフィールドに転記するのか指定
7.「保存」をして、「アプリ更新」をし、設定完了
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アクションボタンの名前を「〜する!」など動詞などにしてみると初心者の方でも使いやすく、パッと見た目でわかりやすくなるかもしれません。
先ほど導入部分であげた、顧客情報をコピーする場合は「対応履歴にコピーする!」など、具体的な動きをボタン名にしてみるのが一例です。
少しの工夫や遊び心で、利用のハードルを下げて、慣れ親しんでもらうのも、浸透させる手法のひとつですね!
アプリアクションの設定方法について説明してきました。
無事にアクションボタンの設置ができましたでしょうか?
ここからは実際に利用してみましょう!
アプリアクションを使い、コピー元アプリレコードから指定項目を転記し、コピー先アプリの新規レコードとして登録していく手順を説明していきます。
1.コピー元のアプリを開きます(コピー元であるアプリにボタンが設置されますよ)
2.対象の顧客情報のレコードを開き、左上にボタンが設置されていることを確認(設定したアクション名が表示されます)
3.アプリアクションボタンをクリック
4.入力したい項目のフィールドが転記される
レコードの値に応じて、アプリアクションのボタンの表示・非表示を切り替えることはできませんが、「アクションの利用者」を設定することで、アプリアクションを利用できるユーザーを制限することは可能に。
アクション設定画面の一番下に図のように「アクションの利用者」を設定できるようになっています。Cybozu共通設定で設定したユーザーや組織やグループを指定できます。組織やユーザーごとで設定するなど、より用途にあった使い方を工夫してみましょう。
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実はアプリアクションのコピー先アプリに同じアプリを設定することができます。kintoneにレコードのコピー機能が付いていますが、コピー機能では基本的にすべてのフィールドが複製されます。
でも運用の際に特定のフィールドだけを作成してコピーしたい場合。全部コピーされてしまと困りますよね。そのような時はコピー先アプリに同じアプリを設定すれば必要なフィールドだけをコピーする処理を実装できます。
ちょっとした裏技ですが是非参考にしてみてください!
アプリアクションは、アクション実行時の情報がコピーされる、という原則で動きます。
また、コピー元のフィールドとコピー先のフィールドが、それぞれ対応していることが必要となります。
そのため、このような事象が発生したときには注意してみてくださいね。
1.コピー元のレコードの情報に修正や変更があった場合、自動的にコピー先のフィールド情報が変更されるわけではありません。
<例>顧客管理に登録していたお客様のお名前やご住所が変更になったとき。コピー元である「顧客管理アプリ」の情報を修正しますよね。その場合、設定していたコピー先の「対応履歴アプリ」には、その修正が自動的に反映されることはありません
2.アプリアクションが設定されているアプリや、コピー先として指定されているアプリが削除された場合、アクション設定ごと削除されます
3.アプリアクションを設定しているフィールドをアプリのフォームから削除すると、アプリアクションからも削除されます
また、アプリアクションに設定しているフィールドコードを変更した場合に関しては、正常に動作してくれることがわかりました。
アクション機能でコピーするフィールドの中にルックアップフィールドが含まれている場合は注意が必要です。保存前にルックアップをし直す必要があるからです。
これがアプリのレコードコピー機能と大きく違う点です。
例えば顧客アプリから顧客番号で顧客情報をルックアップしている場合。アクションボタンでデータをコピーしてから何もしないで保存しようとするとエラーになります。下の図のように「[取得]を押し、参照先からデータを取得してください。」というエラーメッセージが表示されてしまうんです。
そこでルックアップフィールドはレコードを保存する前に「取得」をクリックしてルックアップしなおしてあげる必要があります。特にルックアップフィールドがたくさんある場合やサブテーブルにルックアップフィールドがある場合などは、この作業がかなり手間になる場合があるので注意しましょう。
一方でレコードの複製機能を使って、同じアプリでレコードを複製して保存するときはルックアップを取得し直す必要がありません。同じアプリ内でデータをコピーするときはkintoneのレコード複製機能をうまく使えないかどうか検討しましょう。
アプリアクションボタンとルックアップ。
機能的に似ていると感じているかたもいらっしゃるのでは?
ここでは、2つの機能の違いを改めて説明いたします。
どちらも、2つのアプリを連携させて情報を転記するという作業は一緒ですね。
「ルックアップ」は、データを「引用入力」したいときに使用するときに便利な機能。ルックアップすると引用元アプリの該当レコードへのリンクが作成されて、引用元レコードをすぐ参照できるようになるのが便利です。気をつけたいポイントは、引用されたデータを引用先で修正することができないという点。
「アプリアクション」はデータを「転記入力」したいときに使用する機能となります。あくまで「転記」なので、転記されたデータをコピー先で修正することもできます。
アプリアクションもルックアップもコピー時にデータはコピーされるものの、コピー元のデータが更新されたときに自動的にコピー先が更新されるわけではないのがちょっと曲者。kintoneはこういった癖がたくさんあるので、特にデータベースとして使うときにはいろいろ注意したい点があります。
こうしたルックアップの注意点や、標準機能の弱点を補強してルックアップをより便利に使うためのプラグインについてはこちらの「kintoneルックアップ徹底解説:基本から自動取更新プラグインまでしっかり理解しよう!」の記事でご紹介しております。
さらには、こちらの「kintone(キントーン)をデータベースとして使うために構造を知ろう!」の記事や「kintone(キントーン)で顧客管理!アプリ設計のポイント」の記事も是非参考にしてみてください。
kintone(キントーン)のアプリアクション機能について説明してきました。とても簡単に設定ができ、且つ、使う人全員が恩恵を受けられる素敵な機能ですね。
みんなが使い、入力作業を効率化でき、加えて、ミスも撲滅できる、効果的な機能です。
そしていろいろなアプリで利用頻度があると思いますので、是非気軽に活用してみましょう!
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