公開日: 2024年01月30日 / 更新日: 2024年07月17日
kintone(キントーン)を利用する内に、一度作ったアプリと同じようなアプリを作りたいのだけどどうすればよいのだろう?と考えることもあるのではないでしょうか?
筆者自身も、社内の他部署がすでに運用しているアプリを見たときに、自部署でも使いたい!と思うことがあります。そういったときに便利なのが「アプリ コピー」。自分でイチからアプリを作成するよりも、コピーして修正したほうが楽ちんにそして効率的にアプリを運用に乗せられます。
「アプリ コピー」について、複製の仕方や注意点をお伝えします。
正直、cybozu(サイボウズ)社がすでに用意してくださっているヘルプ画面がかなりわかりやすいですが、改めて説明させていただきます。
そもそも「アプリコピー」とは?すでに利用されているアプリを使って、新しいアプリを作成することができます。
アプリ内の「フォーム」や「一覧」などの設定状況もコピーされるので、まるっと同様のアプリベースを即作成可能。フォームをイチから考えたり、ドロップして配置したり…といった地味に時間がかかる作業を一気に短縮できます。
やり方は簡単。アプリの新規作成画面で「他のアプリを再利用」を選択。
そうするとアプリを選択する画面が表示されます。この画面で目当てのアプリを検索して「アプリを再利用」のボタンをクリック。
この手順でアプリをコピーできてしまいます。新しいアプリにはコピー元アプリと同じフィールドがこの時点で設定されているので改めてドラッグ&ドロップしたり、フィールドの計算式を設定したり、といった手間を省略できてしまうとても便利な機能。
これを活用しない手はありません。
▶kintoneヘルプ詳細はこちら
さきほど「アプリ コピー」についてご説明しましたが、似ている機能がひとつ。 それが「アプリテンプレート」です。 アプリテンプレートとは、作成したアプリをテンプレート化して保存できる機能。 こちらを利用すれば、アプリの設定を「ひな型」として登録でき、必要に応じたカスタマイズをすれば、すぐにアプリを使うことができます。
※アプリテンプレートを作成するには、アプリの管理権限およびkintoneのシステム管理権限が必要です。
アプリテンプレートは、ファイルとして保存可能。 kintone内で管理することもできますし、PC上に保存しておくこともできます。
アプリテンプレートの便利な使い方としては、 このような感じです。
1.アプリの設定内容のバックアップを取っておく
こんなことは考えたくないですが、もし誤ってアプリ自体を消してしまった、間違って変更してしまった場合。バックアップとしてテンプレートを保管しておくと、いざというときに安心。このアプリは絶対に作り直せない、作り直したくない!という場合、バックアップとしてひな形を保存しておきましょう。
2.社外の人にkintoneのアプリを見せることが出来る
kintoneを同様に活用している他社、もしくは社内であってもドメインが違う状況のとき、こちらのテンプレートをデータとして共有することができます。
例えば、社外の相談相手(kintone伴走支援などのパートナー会社等)にkintone相談をする際、登録されている情報を開示できないといったこともあるかと思いますので、このようにテンプレートとして、アプリの設定内容を相談できるとベター。
アプリテンプレートではこういった使い方が想定できます。
アプリテンプレートについてはこちらの「kintoneでアプリをパッとつくれる!アプリテンプレートの機能と使い方」の記事で詳しくご紹介しています。
弊社ロケットスタートホールディングスでも kintone伴走支援サービス iTanto をご提供しておりますが、何よりもお客様の運用状況や業務状況の丁寧なヒアリングを重視させて頂いています。
kintone 導入前のお客様からは運用中の Excel やスプレッドシートをご共有頂きながら一緒にkintoneアプリの設計を考えさせていただいたり、すでにkintone導入済みのお客様の場合は現状の運用状況の整理から。
iTantoご契約前のご相談であれば、オンラインミーティングで画面共有して頂きながらのご相談も可能ですし、テンプレートをご共有頂きながらヒアリングさせて頂くことも可能です。
「アプリ コピー」と「アプリテンプレート」を説明しましたが、大きな違いとしては、アプリがkintone内にあるのか、ゲストスペースを利用しているものなのか、といった点で大きく影響してきます。
▶アプリコピー
自身のkintone(ゲストスペースは使わない)において、複数アプリをコピーする必要の無い場合に効率的にコピーが行なえます。
用途:自分のチームのアプリを、同じような作業をする別チームも活用したいとき
▶アプリテンプレート
ゲストスペースがコピー先やコピー元になっていたり、 複数のアプリを複製したい場合はアプリテンプレート化機能が便利。
用途:ゲストスペースに委託業者を招待してkintoneを活用している状況。依頼する業者がまたひとつ増え、まるっと複数アプリをコピーしたいとき
アプリコピーを行うために、注意点もいくつかあるのでこちらで細かく説明いたしますね。
アプリを再利用して作成するためには、アプリ管理権限が必要です。
まずは自身がそもそもアプリを作成する権限を持っているか、また、コピーしたいアプリの管理権限を持っているのかを確認してみてください。権限がついていない場合は、アプリ管理をしている方に「権限をつけてください!」とお願いしてくださいね。
ゲストスペースは使われていますでしょうか?
ゲストスペースでは、同じゲストスペース内のアプリしかコピーすることができないのです。 「ゲストスペースで、ゲストスペース外のアプリをコピーしたい場合」や、 「ゲストスペース外で、ゲストスペース内のアプリをコピーしたい場合」は、 アプリのテンプレート化機能でアプリを作成していきましょう!
▶kintoneヘルプページはこちら
コピーしたとしてもまるっとすべての情報が複製されるわけではないので注意が必要です。 まず、そもそも入力していたレコードデータは引き継がれません。 APIトークンや、連携していたクラウドサービス等も複製されない場合がありますので、こちらも必要に応じて再設定をしてみてください。
■引き継がれない項目
・アプリレコード
・コメント
・APIトークン
・Webhook
・kintone以外のクラウドサービスとの連携設定
・利用しているプラグインに適用している設定。ただし、プラグインの有効/無効の設定は引き継がれます。
・アプリ管理者用メモ
ただし、アプリ管理者用メモの編集画面で「アプリテンプレートやアプリの再利用時にこのメモの内容を含める」にチェックが入っている場合は、引き継がれます。
※kintoneヘルプページ参照はこちら
元のアプリに登録をしていたレコードデータもできればコピーしたい・・というお悩みも出てくるのでは。 その場合は「CSVで出力し、複製したアプリに読み込ませる」ことでコピーができます。 元アプリを開き、レコードをCSVで出力しましょう。 そのCSVデータを新しくコピーして作成したアプリに読み込ませることで、簡単にデータ自体も利用することができます。
操作方法は以下の通りです。
1)kintone一覧画面の一番右端のメニューアイコン(「・・・」のマーク)をクリック
2)「ファイルに書き出す」を選択
3)書き出す項目を設定する画面が表示されます。フィールド一覧からドラッグ&ドロップで一つ一つ追加することも可能ですが、コピーアプリにデータを移行する時はフィールド一覧の下にある「すべて追加」ボタンをクリックしてすべてのフィールドを追加してしまってください。
また「先頭行を項目名にする」のチェックも忘れずに。
4)項目の設定が完了したら画面左上の「書き出す」ボタンをクリック
5)これで書き出し処理が開始されます。データが多い場合は数分時間がかかることがあります。処理が完了すると通知がきますので、その通知に従って、書き出し完了画面を表示。画像のような画面になります。
4)「ファイル書き出し状況の一覧」の「状況」が「完了」になっていれば「詳細」の「出力されたファイル」のファイル名をクリックしてください。CSVファイルを端末にダウンロードすることができます。
5)次にバックアップデータから復元する方法ですがコピーしたkintoneアプリで(2)のメニューの「ファイルから読み込む」を選択します。そうすると画像のような画面になりますので「参照」ボタンをクリック
6)端末のファイル選択画面が表示されますので、そこから先ほどのバックアップファイルを選択します。
7)次にフィールドの対応設定画面が表示されます。まずは「読み込むファイルの先頭行はフィールド名ですか?」で「はい」を選択してください。そうするとコピー先アプリと対応する項目を自動的に設定してくれます。
8)注意が必要なのはそれぞれのフィールドの対応設定「一括更新のキー」というチェックボックスです。アプリコピーに伴ってデータをコピーしようとしているときはこのチェックボックスを必ず外してください。
9)この設定が終わったら画面左上の「読み込み」ボタンをクリック。画像のように「ファイルの読み込みが完了しました。」というメッセージが表示されたら読み込み完了です。エラーの場合はエラーの詳細が表示されます。その場合はエラーメッセージを丁寧に読みながら原因を突き止めて、CSVを修正する必要があります。
▶kintoneヘルプページ詳細はこちら
データコピーの際の注意点があります。
この方法でデータをコピーできるのコピー元アプリとコピー先アプリの両方で「ファイル読み込み」「ファイル書き出し」両方の権限があるユーザーさんだけです。メニューに「ファイルに書き出す」「ファイルから読み込む」の項目が表示されない場合は権限を確認しましょう。
これはkintoneの仕様上仕方がないことなのですが、レコード番号は新しく発行されます。コピー元のアプリで発行されたレコード番号と同じレコード番号をコピー先アプリで発行されないことがほとんど。
そのためコピー元アプリでレコード番号をユニークなキーとして運用していると混乱が発生します。マスター系のアプリではレコード番号とは別にユニークなフィールドを用意して運用するようにしてください。
詳しくは「kintoneで顧客管理!アプリの作り方」の記事を参考にしてみてください。
kintoneからCSVファイルにデータを書き出す際にはデータの新しいものから降順でデータが並びます。つまりレコード番号光順です。一方でCSVファイルからデータを読み込む際にはCSVファイルの頭の行から順にレコードが登録されます。そのためコピー先アプリでレコードをレコード番号降順で表示した場合、コピー元アプリと正反対の順番になります。
これを考えても、レコード番号以外のユニークキーの大切さをわかっていただけるかと思います。
ルックアップフィールドは以下の条件を満たした時のみデータのコピーが可能なので注意が必要です。
ルックアップ元アプリ(関連付けたアプリ)で、以下の条件が満たされている必要があります。
・「コピー元のフィールド」となるフィールドに、値の重複禁止が設定されていること
・アプリのアクセス権で、レコード閲覧権限がファイルを読み込むユーザーに付与されていること
例えば顧客マスターから顧客名で顧客情報をルックアップしている案件管理アプリをコピーしたい場合。「顧客名」に「値の重複設定」が設定されている必要があります。ただ「顧客名」は同じ名前で別のお客様ということがあり得るため値の重複を許可しているケースがあるかと思いますが、この場合はルックアップフィールドのデータをCSVファイルから復元することができません。
アプリデータをコピーする可能性がある場合にはルックアップのキーとなるフィールドが重複禁止のフィールドである必要があるのでユニークな「顧客コード」などでルックアップするようにしましょう。
ルックアップについて詳しくはこちらの「kintoneルックアップ徹底解説:基本から自動取更新プラグインまでしっかり理解しよう!」の記事でご紹介しています。kintoneの標準機能を補強してルックアップを便利に使うプラグインについても詳しく扱っているので是非参考にしてみてください。
kintone をデータベースとして使う際に覚えておきたい点は「kintoneをデータベースとして使うために構造を知ろう!」の記事も是非参考にしてください。
弊社でもkintoneを日頃から業務利用しているなかで、アプリコピーを活用しています。
実際の事例をご紹介させていただきます。
進捗共有やタスク依頼をする際に、アプリを使ってチーム内で共有することもしばしば。 どこかのチームで作成されたひとつのアプリが、運用を進めるごとにどんどん使い勝手が良いものになり「そのアプリをコピーさせて!」といった流れで、自グループで使ってみるといった活用も。
各事業部や他チームがどのようにkintoneを利用しているか、そしてどのようなアプリを運用しているのか?という点を日頃から共有したり、のぞいてみたり。相談ができると横のつながりもできて、更に会社の成長速度もスピード感があがるかもしれませんね。
kintoneに抵抗感なく使い倒してマスターになる人もいれば、なかなか慣れず、アプリ利用が限定的になる方も、組織にはいるのではないでしょうか。
なかなかイチからアプリを作るのが、大変そう、時間がかかるな・・・と感じたら、周囲の方が使う便利なアプリをぜひコピーして、作業時間短縮して進めましょう!
効率的に、慣れない方にも優しく進められるところがkintoneのメリットですね。
他にもkintoneの便利な機能をご紹介した記事を書いています。是非参考にしていただけると嬉しいです。
▶️kintone(キントーン)のアプリアクション機能とは?アクションボタンでデータをそのままコピー入力!
kintoneをもっと活用して、使いやすくしたいと思ったら、専門知識を持つプロにぜひ相談してみましょう。現在、kintoneの公式サイトでも「パートナー」としてkintoneの伴走支援、サポートをしている企業や法人のご紹介がされています。専門知識と技術を有するプロの視点やアドバイスは、kintoneの活用を推進し、結果、kintoneの社内浸透のスピードもアップしていくこと間違いなし。無料でカウンセリングを行っているパートナーも。ぜひ気軽に一度相談してみましょう。
ちなみに、弊社もサイボウズ社kintoneWEBサイトの「パートナー」として掲載しております
▶サイボウズのパートナーネットワーク
kintoneの活用に困ったとき、プラグインや連携サービスや開発のご相談も、ぜひ一度アイタントにご相談ください。我々アイタントは、kintoneの標準機能を最大限に使いながら、社内浸透の方法や業務フローの再構築のサポートなども支援しております。
基本的な方針としては、まずは標準機能のフル活用。より便利に使いやすいkintoneにするための「プラグイン」を。そして、お客様のご要望に応じた「連携サービス」の選定も一貫してご提案いたします。
お客様社内のkintone活用を目的に、アプリの作り方のコツや運用方法についての整理や実行なども支援。kintoneに詳しく、他業種の業務理解が深い「アイタント」ならではのサポートを提供することが可能です。
我々の知識と経験を活用し、お客様の現在のご状況や今後のご希望をしっかり丁寧にヒアリングし、個社にそれぞれに対応したサポートを心がけております。kintoneの社内活用や浸透をはかるパートナーとして、アイタントはあなたのビジネスを全力でサポートします。
iTanto(アイタント)ではkintone(キントーン)の導入や運用強化を考えている皆様へ向けて、定期的に無料で参加できるオンラインセミナーを実施しています。kintoneの知識をより深く理解でき、さらに便利に活用できるように、kintoneの使い方はもちろん、プラグインをご提供されている会社のご担当者さまと一緒により活用の幅を拡げる知見のご紹介などをお話しております。ぜひ、参加を検討いただければと思います!
一覧へ戻る